ブックオフのお仕事
リユース業界の市場も拡大! 「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」移行で変わること【後編】
前後編の2回にわたりサーキュラーエコノミー(循環型経済)についてお届けする企画。前編では概念と、政府が考える循環型経済への移行の方向性についてお伝えしました。
サーキュラーエコノミーでは、完成したモノを3R活動で循環させるだけではなく、材料の調達や設計の段階から循環を意識したシステム作りが求められます。
またその移行は「『環境と成長の好循環』を産み出す新たなフロンティアである」(『循環経済ヴィジョン2020』)と政府が考え、取り組みを活発化していることがおわかり頂けたと思います。
後編ではサーキュラーエコノミーへの移行に対する企業の対応や、リユース業界への影響について解説します。
めざすのはモノづくり全体での大きな循環
2019年6月環境省が循環型経済を目指す「CEチャレンジ」を発足させ、サーキュラーエコノミーの推進に先進的に取り組んでいる企業3社を表彰しました。
サーキュラーエコノミーへの移行には、どのようなビジネスモデルが考えられるのでしょう?
たとえば原材料のリサイクルやアップサイクル、リペアやリユース、サブスクリプション型サービスやシェアリングエコノミー。これらはすでに多くの企業が導入しています。
しかし、その循環はモノを中心とした小さな円に限られるものが大半です。今後、モノ作り全体が循環するような大きな円を描くビジネスモデルを構築していくことが企業に期待されています。
サーキュラーエコノミーへの移行がリユース業界に与える影響
不要なモノをリユースに回すことは、モノの寿命を伸ばしごみの削減につながっています。国際的なサーキュラーエコノミー推進機関である、エレン・マッカーサー財団が掲げるサーキュラーエコノミーの3原則をみてみましょう。
・自然のシステムを再生(Regenerate natural systems)
・製品と原料材を捨てずに使い続ける(Keep products and materials in use)
・ゴミ・汚染を出さない設計(Design out waste and pollution)
すでにリユース業界は「製品と原料材を捨てずに使い続ける」ことに貢献しており、サーキュラーエコノミーのシステムの一部として稼働しています。
今後サーキュラーエコノミーの視点が一般化されればリユース業界に対する注目度も上がり、市場規模の拡大につながるでしょう。
前後編の2回にわたりレポートしました。リユース業界にとってサーキュラーエコノミーへの移行は、追い風です。今後、移行に伴う新しいビジネスモデルの構築に関わっていく機会が増えていくのではないでしょうか。