事業開発、新規店舗＆窓口オープン、海外展開…ブックオフの成長戦略2023【前編】

価値創造MAP

「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」を事業ミッションに掲げるブックオフグループ。「価値創造MAP」でも示している通り、展開する各事業の相乗効果により、グループの成長と収益の安定性を両立させることで、企業価値の最大化をめざしています。

今回はブックオフの各領域の現状や実績、今後の成長戦略を2回にわたりレポート。ブックオフの「今」と「これから」を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

事業開発

ブックオフでは1990年の創業以来、海外事業・プレミアムサービス事業・オンライン事業をはじめ、さまざまな事業を展開してきました。

最近では他事業や他社との連携で生まれた「おかたづけ事業」、トレカ専門店「Japan TCG Center」の出店など、リユースの専門性を拡大する新たな領域にもチャレンジしています。

2022年8月にはゲーム、トレーディングカード、ホビーの新品・中古商材を中心に扱う新業態「あそビバ」を和歌山市にオープン。アニメ・ホビーのユーザー層が遊べる場所を提供しています。

Japan TCG Centerとあそビバは、今後も新規出店を推進していく予定です。

同業他社のM&Aも視野にいれ、成長が期待できる新事業の探索はこれからも継続。グループ全体で事業規模の拡大をめざします。

プレミアムサービス事業

リユースを軸としたOne stop、One table、One to oneのサービスを提供するプレミアムサービス事業。富裕層世帯をターゲットに、新たな顧客層との接点を創出しています。

富裕層世帯は2011年の350万世帯から2015年には437万世帯、2019年には475万世帯となり、年々増加。接点の拡大が買取・収益の増加につながっています。

プレミアムサービス事業は顧客年齢層や拠点立地に応じて、「BOOKOFF総合買取窓口」「aidect（アイデクト）」「hugall（ハグオール）」と3つのパッケージを展開。

BOOKOFF総合買取窓口は東京都心部の居住地エリアを中心に、2022年11月時点で16店舗を展開しています。今後も毎期3〜4拠点のペースで出店予定です。

ハグオールは大手百貨店内に現在13拠点。今後は全国の主要百貨店に、毎期4〜5拠点のペースで拡大していく予定です。

繁華街への人流回復、貴金属相場の高騰なども後押しして、この2つのパッケージを合わせた仕入高はコロナ前の水準を60％上回りました。

大手百貨店・商業施設内に拠点を構えるアイデクトでは、店頭でのジュエリーリペアサービスを提供。BOOKOFF総合買取窓口やハグオールとも連携することで、競合他社との差別化をはかり、収益に貢献します。

海外事業

2000年のニューヨーク進出を皮切りに、海外にも店舗を展開しているブックオフ。現時点でアメリカに10店舗、フランスに加盟店を3店舗、マレーシアに「Jalan Jalan Japan（JJJ）」を9店舗出店しています。

アメリカでは日本のアニメ関連商材・Mangaの人気に加え、SNS・インフルエンサーの活用やアニメ系イベントへの参加により顧客接点を確立。エンターテインメント性の高い店舗として、現地で人気を博しています。ロックダウン以降は業績が好調に推移しており、売上高はコロナ前と比べて52％アップしました。

マレーシアのJJJでは日本国内で販売機会に恵まれなかった商材を販売。日本では不要なモノの出口機能として、「すてない社会」の実現に貢献しています。ロックダウンの反動、現地での認知向上に加え、店舗数の増加や品単価の見直しが功を奏し、コロナ前から売上高は134％アップとなりました。

コロナ禍で抑制していた海外出店も、今後は再び積極化していく予定です。

アメリカでは全米展開に向けて毎期1〜2店舗の出店を再開。東西海岸をベースにシェアを拡大しつつ、ゆくゆくは内陸部メガシティへの進出も検討しています。

JJJは物流網および他社との連携を拡充しつつ、クアラルンプール近郊から南部・東部に向けて、毎期2～3店舗の出店を継続。マレーシア以外にも、カザフスタンをはじめとする他国展開を並行することで、20店舗体制をめざします。

以上、ブックオフの成長を支える「事業開発」「プレミアムサービス事業」「海外事業」について解説しました。

【後編】では「ブックオフの国内事業」にフォーカス。最新の成長戦略をレポートしていきます。ぜひあわせてチェックしてみてください。