リユース業界トピックス
2023年までに会員数倍増! 堀内社長が語るブックオフのアプリ戦略【後編】
ブックオフのあらゆるサービスをつなげる「ひとつのBOOKOFF構想」。その軸となるブックオフ公式アプリの戦略について、日経クロステックでの堀内社長のインタビューを交えながら【前編】【後編】の2回にわたり解説しています。
【後編】となる今回はブックオフが掲げるアプリ戦略の目標や、会員数増加を見据えたシステムのデジタル化をご紹介。ブックオフの事業内容やリユース業界の動向、ITビジネスについて興味をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
ブックオフのアプリ戦略とは?
ブックオフはアプリ戦略として、ブックオフを利用してくれるお客様のうち、15%のアプリ会員で売上の3分の1を占める状態を目指しています。
会員数は2023年5月までに600万人を目標としており、2021年11月時点で、すでに400万ダウンロードを突破!目標達成に向けて順調にサービスを拡大中です。
しかしこのまま会員が増加していく場合、従来のシステム基盤のままでは不具合が生じる可能性もゼロではありません。そこでブックオフが計画しているのが、システムの拡張・刷新です。
30億円規模のシステム拡張と刷新を計画!
堀内社長はインタビューでシステムの課題について次のように語っています。
「現在はオンプレミスで複数の社内システムを連携させているところですが、会員が増えれば会員データベースのサーバーは問題なくてもアプリケーションサーバーの処理がボトルネックになるといったことも起こり得ます」
そこでサーバーを刷新するタイミングで計画しているのが、クラウドプラットフォーム「AWS(Amazon Web Services)」への移行によりシステムの拡張性を確保すること。
さらに「POS(販売時点情報管理)」システムの刷新も計画されており、その理由について「2009年に導入したものが老朽化しているため」と説明します。
「現在は各店舗がローカルのデータベースを持っています。当時は本部のサーバーに障害が起こっても事業継続できるようにという観点でそのようにしていましたが、データベースの更新に時間がかかる課題が無視できなくなってきました」
今後は店舗のハードウェア依存を減らすため、オンラインによるデータの参照・更新が可能なシステムを構築していく予定です。
Eコマース関連とPOSシステムを5年ほどで刷新していくため、システム投資にかかる費用は30億円ほどに。
堀内社長は「当社にとってこれまでにない大型投資ですね」と語りながらも、システム担当役員を務めていた経験から「日々の業務で発生するどんな情報がどこのシステムであり、それがどのようなプロセスで動いているかを理解できている」「前回のシステムの大幅な刷新を提案した際に経営陣から『おまえ会社を潰す気か!』と言われ、それでもやるべきだと押し通した経験があります」と金額の妥当性を保証します。
ビッグデータの活用で販売・買取価格をより理想的に
ブックオフでは、他にもさまざまなITシステムを導入することで業務のデジタル化を推進中です。多分野にわたり増加し続けている商品も、マスターデータでの管理体制を確立。状態・価格などに応じて個別でも管理できる300万~400万ほどのID体系が整っています。
このマスターデータによって、商品カテゴリーごとの専門担当が商品数・売買履歴のデータを見ながら、標準的な販売価格・買取価格を決定。価格変動に応じて週1~2回ほどの頻繁な更新が可能になりました。
「商品を積極的に持ち込んでもらえるような競争力のある買取価格を提示できたり、売れやすい価格付けができたりしています」と堀内社長。
ブックオフではこのように、既存のサービスとデジタル技術の融合によって業務やビジネスモデルをアップデートし続けています。ブックオフの事業に興味を覚えた方、現状に満足することなく、会社を成長させていきたいという意欲のある方は、ぜひ求人情報(以下の応募要項)をチェックしてみてください。