「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」ブックオフの中期方針とは？③海外事業

世界地図と人

ブックオフグループの現状と中期方針を全3回にわたり紹介する本シリーズ。第1回では深化領域の「国内ブックオフ事業」を、第2回では探索領域の「プレミアムサービス事業」をそれぞれ取り上げました。

最終回となる今回取り上げるのは「海外事業」。プレミアムサービス事業と同じく、グループの利益拡大に大きく寄与する「探索領域」に位置づけられる事業領域です。

海外事業のサービス内容

ブックオフでは海外事業として、「BOOKOFF USA」「Jalan Jalan Japan（以下、JJJ）」という2つのパッケージを展開中。現時点で合わせて40店舗を出店しています。

アメリカに16店舗を展開する「BOOKOFF USA」は、本・ソフトメディアなどの買取・販売サービスを提供。現地で人気の日本のアニメ・マンガグッズを中心に、エンターテインメント性の高い店舗づくりやイベントの実施・SNSでの交流を推進することで、ファンを獲得してきました。

「JJJ」は現在、マレーシアに14店舗、カザフスタンに7店舗を展開している店舗パッケージです。コンセプトは「Loved in Japan」。約500坪の広大な店内に多種多様な商材を取り揃えており、日本製品の品質の高さと商品量・価格の安さが現地のお客様から好評を博しています。

JJJは現地での買取を行わないのも特徴です。日本国内でリユースに至らなかった商品を販売することで「捨てない社会」の実現に貢献。2023年には約3,500トンの商品が、廃棄されることなくお客様の手にわたりました。

どちらの店舗パッケージでも、運営は現地採用のローカル人員が中心です。ネイティブ従業員の育成とエンターテインメント性の高い店舗展開で、競合他社との差別化に成功しています。

海外事業の実績

2024年5月期は、事業拡大に向けて新規開拓地であるカザフスタンでの積極的な出店や、人員拡充・待遇改善などを実施した海外事業。

積極的な投資を行いつつも、売上高が前年比17.0％増と好調だったことでセグメント利益も6.8％増と前年を上回っています。アメリカ・マレーシアともに、既存店の伸長と過年度の新規出店が寄与した結果です。

パッケージ別の売上高は、BOOKOFF USAが前年比117.5％、JJJが前年比119.4％となりました。

新規の出店状況はBOOKOFF USAが1店舗、JJJが6店舗の計7店舗。JJJは加盟店1号となる「Gallereya Mall店」を含めて、4店舗がカザフスタンへの出店です。

9月には、JJJでアパレル専門店「Jalan Jalan Japan Apparel」もオープンしました。シワやニオイのない高品質な中古品衣料の提供、グループノウハウであるVMDを駆使した売場づくりなどを強みに、新たなマーケットを開拓していきます。

2025年5月期はBOOKOFF USAで3店舗、JJJで加盟店を含む7店舗（マレーシア4店舗、カザフスタン5店舗）の新規出店を計画しています。またマレーシアへの商品供給強化に向けて、設備投資も実施していく予定です。

海外事業の中期方針

2028年5月期の経常利益45億円達成に向けて、海外事業でもさらなる事業拡大を推進していきます。そのために重要になるのが店舗網の拡大です。

「BOOKOFF USA」では2028年5月期までの30店舗到達を目標に、アメリカ東西海外ドミナントへの出店を継続していく予定。内陸部メガシティへの展開を見据えて、出店調査も継続的に行っていきます。

さらに、市場拡大・店舗運営効率化に向け、現地人財のマネジメント力向上のための人材育成を促進。オペレーションを定着化させ、顧客体験の向上を図る方針です。店舗設備の刷新、アニメグッズの販売方法の見直し、システムの一体化なども進めていきます。

「JJJ」は2028年5月期までに50店舗体制の構築が目標です。マレーシア、カザフスタンでの継続出店に加えて、新たな国への展開も検討中。アパレル専門店とフルパッケージ店舗の両方で、店舗網を拡大していきます。

また2033年5月期までには、BOOKOFF USAとJJJのそれぞれで「100店舗体制」をめざしています。

JJJの店舗網拡大はブックオフグループの企業価値向上はもちろん、「すてない社会」実現にもつながる取り組みです。ブックオフではチェーンだけでなく他社や自治体とも連携することで、国内の不用品リユースを促進していきます。

以上、ブックオフグループの現状と中期方針をセグメント別に紹介しました。

「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」ために、チャレンジを続けるブックオフ。幅広い事業活動を通じて、環境変化に強いポートフォリオの構築と企業価値の最大化をめざしていきます。

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