リユース業界トピックス
「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」ブックオフの中期方針とは?①国内ブックオフ事業
リユース業界のリーディングカンパニーとして「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」ブックオフは、2025年1月14日に「2025年5月期第2四半期決算説明」を発表。2024年5月期第2四半期の実績として、前年同期比で売上高が107.3%、連結経常利益が135.1%と増収増益を果たしました。
そんなブックオフが中期目標として掲げているのは、過去最高益を大きく超える経常利益45億円を2028年5月期までに獲得することです。そのために安定性の高い深化領域と利益性の高い探索領域を兼ね備えた、持続的な成長を推進しています。
今回はブックオフグループの事業セグメントごとに、現状と2028年に向けた中期方針を全3回にわたりレポート。第1回で取り上げるのはグループの主力である「国内ブックオフ事業」です。
国内ブックオフ事業のサービス内容
国内ブックオフはグループに安定的な利益をもたらす「深化領域」に位置づけられる事業領域です。主な店舗形態は「BOOKOFF」「BOOKOFF PLUS」「BOOKOFF SUPER BAZAAR」「あそビバ」の4つ。
「BOOKOFF」は国内に約900店舗を展開する書籍・CD・DVD・ゲーム中心の店舗で、現在はトレカや携帯電話・プライベートブランドの取り扱いも拡充しています。
「BOOKOFF PLUS」は洋服・服飾雑貨の買取・販売も行う中型複合店舗です。
「BOOKOFF SUPER BAZAAR」は平均売場面積約950坪の大型複合店舗。上記2店舗のラインナップのほか、雑貨・スポーツ用品・食器・楽器・生活雑貨まで幅広い商品をそろえており、地域の旗艦店として集客を獲得しています。
「あそビバ」はトレカ・ゲーム・アニメ関連グッズ・ホビーなど、エンタメ性に特化した店舗パッケージです。
2024年5月期には「BOOKOFF」5店舗、「BOOKOFF PLUS」2店舗、「あそビバ」2店舗を出展しました。
また、ブックオフグループでは実店舗のほかに日本最大級の中古販売・買取サイト「ブックオフ公式オンラインストア」も展開中。
これらのサービスの連携を促進するのが、ユーザー数が811万人を突破した「ブックオフ公式スマホアプリ」です。2023年11月の店舗利用者のうち33.8%がアプリ会員となっており、LTV(顧客生涯価値)拡大に寄与しています。
国内ブックオフ事業の実績と商品ごとの売上推移
第2四半期の国内ブックオフ事業の売上高は前年比6.2%増、セグメント利益は前年比37.2%増となっており、グループの成長に大きく貢献しました。
とくに国内市場全体が成長しているトレーディングカード・ホビーの売上高構成比の拡大が伸長につながっています。
ブックオフでは以前から、トレーディングカード・ホビーの販売スペースを拡大するとともに「トレカフェス」等のリアルイベントの開催、対戦スペース設置店舗数の拡大、ミニ四駆用サーキット・プラモデルディスプレイ・鉄道模型方レンタルレイアウトといった来店機会創出を目的とした「店舗のエンタメ化」を推進。
店舗・地域の独自の取り組みをSNS・マスメディアによる情報発信に加え、オウンドメディア「ブックオフをたちよみ!」でも発信してきました。
これらの施策が功を奏し、商品カテゴリー別の売上高の成長率はホビーが最も高い前年同期比34%増を達成。トレーディングカードも前年同期比23%増と大きく成長しています。
貴金属・時計・ブランドバックも、相場の高騰やインバウンド需要の増加により好調に推移したカテゴリーです。売上高は前年比17.0%増となり、たな卸資産も順調に増加しました。
ついでアパレルが前年比16.1%増、家電・携帯電話が前年比8.6%増、スポーツ・アウトドア用品が前年比8.0%増とそれぞれ売上高を伸ばしています。
国内ブックオフ事業の中期方針
国内ブックオフ事業では「お客様へ最高のリユース体験を提供する」ことを中期方針に掲げ、現状の利益水準を確保しつつ資本効率を改善。成長事業への人財・ノウハウの輩出を継続的に行っていきます。
具体的な軸の1つが「地域に合わせた商材拡張」です。
中核商材である本・ソフトメディアは、安定した売上確保の土台として維持しつつアパレル、ブランドバッグ、貴金属、トレカ・ホビー、スポーツ用品といった商材を地域特性に合わせて強化。取り扱い店舗数の拡大や、特化店舗パッケージの開発、商材毎の取り組みを推進して売上総利益のさらなる伸長をめざします。
たとえばブランドバッグ・貴金属では、スペシャリスト制度を活用したサービスレベルの向上と、AI機器を活用した複眼査定による精度向上を実現。
トレカではプレイヤー層向けカードの強化を、ホビーでは取り扱いジャンルの強化と売場拡大を進めていきます。
一次流通の市場が厳しい本に関しても、データベースによる販売動向の分析、店頭での高価買取と告知、買取見本としての売場展開といった施策を実施してきており、良質な在庫確保による販売単価の上昇と売上確保につながりました。
また、顧客接点の強化・拡大を実現するための施策が「ブックオフを超便利に・超面白く」です。
既存店の大型化や継続的な出店、接客・店舗づくりの深化、アプリ機能の拡充、商品・顧客管理のデジタル化推進などの取り組みによりお客様の利便性を向上。便利なだけでなく、「面白い」と感じていただけるような体験価値を形成していきます。
続く第2回では、ブックオフグループの「探索領域」であるプレミアムサービス事業について、現状と中期方針を解説していきます。ぜひあわせてチェックしてみてください。