リユース業界トピックス
数字で見る「リユース業界の今」【消費者ニーズ編】
数字で見る「リユース業界の今」【業界動向編】では、リユース市場の規模と動向を中心に紹介しました。業界の市場規模は、拡大トレンドにあることはおわかりいただけたのではないでしょうか。
第2回では、消費者のニーズという視点からリユース業界の今後について見ていきたいと思います。
「過去1年間で不要になった物」の第1位は書籍
環境省が平成27年に実施した調査によると、過去1年間でいらなくなったものがあったと回答した人の割合が最も多かったのが書籍(38.5%)でした。
次いで多かったのが、「ブランド品を除く衣類・服飾品」で27%。書籍や衣類・服飾品は、年間の購入量が多いことに加え、購入から不要になるまでのサイクルが短いために上位を占めていると考えられます。
「カメラ・周辺機器」「携帯電話・スマート フォン」「パソコン・周辺機器」等の小型の家電製品が1年間の間に不要になった割合はいずれも10%以上であり、10人に1人以上が不要になったと回答していることになります。
リユースできるアイテムを自宅で眠らせている人が多い
興味深いのは、「バイク・原付バイク」を除くすべてのカテゴリにおいて、50%以上の人がいらなくなったものを「自宅・物置に保管」しているということ。
とりわけ自宅で不要になっている比率が高いのが「携帯電話・スマートフォン」「カメラ・周辺機器」で、約8割の人が使われないまま自宅に放置されているのです。
商品によって異なる処分方法
処分することになった場合の売却・引き渡し先は、カテゴリによって異なっています。書籍は約58%の人がリユースショップでの売却・引き渡しをチョイス。
カメラ・周辺機器、カー用品はネットで売却・引き渡しをする人が多く、それぞれ53.4%と46.4%となっています。
一方で、日用品・生活雑貨、家具類、その他の家電製品は自治体にごみとして出す割合が高く、これらをリユース品として流通させることで業界の成長がより促進されると考えられます。
リユース品購入経験者は約3割と少ない
平成27年時点の消費者のリユース品の購入経験を見ると、約7割の人が「過去1年間に購入していない」と回答しています。
フリマアプリの利用経験者もまだ少なく、不用品を売却した人が50人に1人、リユース品を購入した人が約 100人に1人に留まっており、今後の拡大が見込まれます。
リユースできる製品を所有している人が多いものの、リアルのショップやインターネットサービスを通じて売る人はまだ少ないのが現状のようです。
リユース企業によるプロモーションやさまざまな広報活動によって、「アレもコレも売れるんだ!」と認知が高まれば、潜在的なニーズを獲得できる可能性が上がります。
店舗のスタッフやWebディレクターにとって、お客様との効果的なコミュニケーションは自社の売上のみならず業界を活性化する大事な一歩です。
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