リユース業界トピックス
売れ筋は?今後の見通しは? リユース業界マーケットレポート【後編】
リユース業界のマーケット規模と将来の見通しについて紹介するシリーズの第1回は、マーケット規模や伸び率、今後の可能性についてレポートしました。後編では、新たなムーブメントについて紹介します。
拡大する衣料品のリユースに新しいムーブメント
全体が拡大傾向にあるリユース業界ですが、なかでも特に伸びを見せているのが衣料や服飾品です。2017年の前年比は、46.8%増という大きな伸び率を示しています。前回紹介したように、スマホアプリによって個人間の取引が気軽にできるようになったというのも理由のひとつですが、商品の流通において新たな取り組みが行われていることにも注目する必要があります。ここからは、衣料品や服飾品のジャンルに起こっている改革にフォーカスしてみましょう。時代の流れに合わせ、新古品が流通
新しいムーブメントは、「新古品の流通」です。メーカーや新品小売りの滞留在庫であるいわゆる「新古品」は新品でありながら、今までは売れ残ると処分されていました。価格をディスカウントして流通させるとブランドイメージがダウンするからです。しかし、環境問題が重要視される現代では、むしろ新品を処分する方が企業のイメージダウンにつながります。そんな中で、メーカーや小売チェーンから新古品を仕入れ、リサイクルショップに卸す企業が収益を伸ばしています。これとは逆に、大量に新古品を仕入れたものの、販売しきれないリサイクルショップから、商品買い取りをして、別の販売ルートに乗せる企業も出てきています。
ノベルティとして滞留在庫を扱う
ファッション以外の流通に目を向けてみましょう。賞味期限には至っていないものの、一般小売店での販売が難しくなってしまった食品などをノベルティをして扱う企業もあります。メーカーからすると、賞味期限が迫っている商品を小売店に並べるのは抵抗があります。一方で、安心できるメーカーの食品をノベルティとしてお客様に提供したいという企業があり、その間を取り持つような存在になっているのです。流通の多様化で、リユース業界は拡大する見通し
大量生産、大量消費、大量廃棄が景気がいいことだった時代は終わりました。今後、景気がどんどんよくなったとしても、資源を大切にして地球環境を守るのが当たり前になっています。そんな時代の流れを汲み、今までにはなかった新古品の流通改革は今後も広がっていくと考えられます。商品のニーズに合わせて多様な流通経路を開拓しているリユーズ業界は、今後も市場拡大が期待できるといえるでしょう。