ブックオフのお仕事
リユース業界の未来が見える! 環境省の「リユース促進のロードマップ」をのぞいてみた
リユース市場は3兆円規模に成長しており、2030年にはさらなる拡大が予測されています。そうした中、環境省が2025年6月、「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」を公表しました。
このロードマップは、消費者・企業・自治体が一体となって循環型社会を築くための指針であり、リユース業界の行方を決定づける重要な施策です。
この記事では、ロードマップの方向性を分かりやすく読み解くとともに、循環型社会の形成に向けたブックオフの取り組みについて紹介します。
環境省「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」とは?
2025年6月、環境省は「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」を公表しました。
これは、国民・企業・自治体が一体となり、リユース拡大を通じて循環経済への移行を加速させるための政策方針です。
国内リユース市場は2009年以降順調に拡大しており、2023年時点で約3兆円、2030年には4兆円規模が見込まれています。しかし実際には、消費者の約7割が「過去1年以内でリユースを利用していない」という現状があります。
「リユースに興味はあるが利用経験がない」層をどのように動かすか、そして誰もが安心して参加できる市場環境をどのように整えるかが、このロードマップの焦点です。
今回の公表では、企業・自治体・国民・全般、それぞれの取り組みに関する4つの指標が示されました。これらをもとに、2025年度中に正式な「リユース等の促進に関するロードマップ」が策定される予定です。
消費者のリユース意識の醸成と行動促進
ロードマップの方向性の一つ目が、消費者のリユース取り組みの促進です。現状の課題として、リユース回収ルートや買取ルートが消費者に知られていない、またリユースのメリットが十分に理解されていないといったことが挙げられます。
ロードマップでは、リユースが習慣として消費者に定着するよう、以下の取り組みが検討されています。
・リユース月間を設け、企業と自治体の連携による全国的なキャンペーンの実施
・学校教育にリユース体験を導入し、次世代への浸透促進
・リユースポータルサイトを立ち上げ、事例や情報を見える化
自治体と企業間においてはリユースに関する協定締結が望まれており、政府は現在300自治体のところを、2030年までに600自治体へ引き上げる方針です。
リユースの市場拡大に向けたビジネスモデルの創出
自治体および企業に求められるのが、リユース市場の拡大に向けた需要創出です。現状では、「リユース=中古品の売買」というイメージが定着しており、リユースに興味を持たない層が存在します。
そこで、シェアリングやリペアなどの新たなリユースモデルの確立により、消費者にとって魅力的なリユースの機会や仕組みを提供することが検討されています。
・シェアリング・リペア・リセール・リファービッシュといったリユースモデルの確立
・遺品・生前整理でのリユース活用
・大きな購買力のある国や自治体が、公共調達でリユース品を購入
「必要なものを借りに行く」「モノを長く大切に使う」という価値観を広めることが、リユース促進につながると考えられています。
リユース事業の信頼性向上
3つ目の方向性が、リユース事業の信頼性確保です。現状では優良事業者の取り組みを適切に評価する仕組みがなく、今後の市場拡大に伴い、不適正業者の参入リスクが懸念されています。
ロードマップでは、消費者トラブルを防ぎ、安全・安心で透明性の高いリユース市場を確立するため、以下のような対策を講ずる予定です。
・優良事業者ガイドラインの策定
・自治体が不適正事業者を指導するための支援(自治体向けセミナー開催、啓発チラシの作成など)
事業者の健全な競争環境が整えば、消費者も安心してリユースを選べるようになります。リユース市場を長期的に持続させるためにも、信頼性の確立は重要です。
リユース促進に向けた制度・情報公開の仕組みづくり
ロードマップの方向性の4つ目が、リユース促進に向けた基盤づくりです。リユースは環境によいと言われているものの、実際のCO2削減効果などは明示されておらず、消費者が貢献を実感しにくいという課題があります。
・リユースに伴う環境負荷低減効果の算定事例集やパンフレットの作成
・2027年までに、国内外のリユースの重点調査を実施
・海外でのリユース品の取り扱い状況の把握
上記のような取り組みにより、消費者が目に見えてリユースの効果を実感できることで、行動へのモチベーションが一層高まることが期待されます。
リユース促進に向けたブックオフの取り組み
リユース業界大手のブックオフは、ロードマップの方向性と呼応する形で、すでに多面的なリユース促進活動を展開しています。ここでは、ブックオフのリユース促進に向けた取り組みの一部を紹介します。
・「リユースの日」イベント
8月8日の「リユースの日」には、環境省後援の合同体験イベントを秋葉原で開催し、親子でリユースを体験できるコンテンツを提供しました。
会場には不要品回収ボックス「R-LOOP(アールループ)」を設置し、衣類やおもちゃなどを手軽にリユースできる仕組みを実践してもらいました。
・地域社会や行政との連携による地域活性化への参加
ブックオフでは行政機関や企業・団体と連携し、リユース事業から派生してさまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。
たとえば、児童施設への本の寄贈、リユースファッションショーの開催、鉄道の忘れ物の再流通など。多彩な活動を通じて、地域活性化や循環型社会の形成に貢献しています。
・リユースを通じたクラウドファンディング
「キモチと。」は、ブックオフの宅配買取サービスを活用し、買取金額を団体への寄付に換えるプロジェクト。
これまでの寄付金額は累計4億円超を突破し、教育や福祉分野、スポーツなど、さまざまな団体の活動を支援しています。
環境省のロードマップとブックオフの今後
環境省の「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」は、消費者行動の変革と市場基盤の整備を両輪として、2030年に向けた循環型社会の構築をめざす指針です。
ブックオフはすでに、行政との連携やプレミアムサービス事業の展開などを通し、「すてない社会」の実現に向けた取り組みを行っています。
今後も全国で活動を広げ、リユース市場全体の信頼性と利便性向上に貢献していきます。
ブックオフのキャリア採用サイトでは、店舗運営職などの求人情報を多数掲載しています。
「リユース業界の求人に興味がある」「社会貢献を感じられる仕事に転職したい」という人は、ぜひブックオフの採用サイトをご覧ください。