価格だけで決まらない
のが買取の面白さ。
眠っている品物をもっと発掘したい!

森田 正則MASANORI MORITA

総合買取窓口 代々木上原駅前店
買取アドバイザー

PROFILE

個人事業主としてトラックドライバーを営んでいたが、2005年、32歳でブックオフに入社。スタッフ100人の大規模店舗である原宿店などを経験し、3店舗で店長を務めたあとアパレル部門に移って買取の仕事へ。川崎、名古屋、大阪等での勤務を経て関東6拠点のブロック長を務め、総合買取窓口の立ち上げに伴い現職。

全くの異業種から30代で転職、
希望の異動先で買取の道へ

私が担当しているのは「総合買取」といって、本、ファッション、ブランド品などを買い取る仕事です。買取りはすべての店舗で行っていますが、店によってジャンルが異なり、以前は都内の店舗では本とCDしか買取をしていませんでした。しかし、ハイブランド品など高額商品の買取ニーズは都内のほうが大きい。そこで現在ブックオフでは都内での買取専門店の出店を進めていて、私はその店頭で接客と査定を含めた買取業務全般にあたっています。

実は中途採用でブックオフに入社するまではリユース業界は全くの未経験。個人でトラックドライバーをやっていたんです。でも30歳を超えたころ、個人で働くだけでなくチームで人を動かせるようになりたいと思い、ブックオフの求人に応募しました。体験入店で最も驚いたのは、店長主導ではなく、スタッフの皆さんが自主的に仕事を動かしていたこと。自分の仕事のことだけを考えていては運営が行き詰まるのも痛感し、ここなら伸びていけると確信できました。

入社しばらくは店舗で働き、店長も3店舗ほど経験したところで、他の仕事もやってみたいと思い、年に一度提出するキャリアプランシートの希望職種でアパレル部門にチェックを入れてみました。するとたまたま空きがあったのか2カ月で異動が実現。このときから買取中心の仕事が続き、今に至ります。

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自らの裁量で売れる価格を予測して
値付けするのが面白い

アパレルの買取の面白さは、価格が決まっていない、定価が表示されているわけでもない商品について、「いくらで売れるのか?」から考えて値付けをしていくところにあります。そのためには店頭で売れていく様子をよく見ておく必要もある。いかにも商売だなという感じがしました。いくつかある分野の中でアパレル、とくに婦人服を希望したのは、単価があまり高くない分野だから(笑)。最初から高額のものを扱うのはちょっと自信がなかったんですね。

その後、キッズ服やおもちゃの買取も経験し、車でお客様のお宅を訪ねて買取を行う「何でも買取」も担当。集められた商品を一括査定する「買取センター」での査定業務も経験しました。名古屋に買取センターを新設する際には、スタッフの採用から什器の手配まで、立ち上げ業務全般も担当しました。こうして買取に関するさまざまな経験を積んだ結果、現在の「総合買取」部門に加わることになり、いよいよ高額商品も担当することになってしまいました(笑)。

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もっとよい品をたくさん発掘するため
「買取会」も企画中

昔は「高額商品の買取は責任重大だし難しそう」と思っていましたが、今は社内にきちんとしたマニュアルもありますし、ハイブランドやダイヤモンドなどジャンル別の研修にも参加させてもらっています。さらにどうしても自分で判断できないときは、店舗に設置されたWebカメラを通じて遠隔地のエキスパートに意見を仰ぐこともできるので心配はありません。
この仕事をしていて思うのは「買取は価格だけじゃない」ということですね。出張買取を行っていたとき、同じ店舗にいた50代の女性スタッフの買取に同行したことがあるんですが、その方はお客様の家に入ると、とにかく床でも壁でもペットでもあらゆるものを褒めるんです。そうやってお客様との距離を縮めると、たとえ高い買取価格が付けられなくても納得していただけることも多いですし、お客様が次に何か買い取ってほしいと思ったときのリピートにもつながるんですね。実は買取実績を上げるにはリピートしていただくことがとても重要。そのために「よいサービスだ」と思っていただけるだけのしっかりした態度やふるまいも重要だと感じています。

私自身が常に意識しているのは、「この品物は、お客様にとっては思い入れのある品物なのだ」ということ。受付時には、いつ手に入れられたのかを聞いてみたり、「きれいに使われていますね」と声をかけるよう心がけています。状態によっては価格を付けられないときもありますが、その場合も「ここがダメ」と言うのではなく「ここがこうだったらもっと値段が付いた」という伝え方をする。そういう対応をした結果、私が査定をしたあとに他のお店でも査定を受けたお客様が、わざわざ戻ってきてこちらで売ってくださったこともありました。やはり、価格だけではないんですね。

今後やってみたいのは、マンションでの出張買取会です。世の中にはまだまだ眠っている貴重な品物がたくさんある。それが、どこで引き取ってもらえるかわからないがためにお客様の家で眠っていたり、捨てられてしまっていたりします。そうした品物を発掘するためのアイデアとして、現在提案を進めているところです。

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